聖書の『黄泉:よみ』とは 古事記の黄泉国ではない、Enochが見た聖書の黄泉

黄泉(よみ)を聖書では、人間が死んだ後、霊になって行く場所の事を指します。

そこは、霊が「最後の大審判」の時まで一時的に身を置き、過ごす、隔離された場所の事なのです。

この呼称としましては、日本語聖書の訳本により様々です。

口語訳では、黄泉と書き「よみ」と言います。

新共同訳では陰府と書き、「よみ」と読ませます。

黄泉、陰府の両使いは文語訳で、ハデス:Hadesと言う新改訳もあります。

また、それらしき場所を「獄」と書いて有る箇所も存在します。

しかし、黄泉、陰府と、獄とでは使い分けをしている様なのです。

この辺の詳しい内容は、旧約聖書外典(アポカリファ)の『エノク書』に詳しく書かれておりました。

例の巨人が出て来る『アポカリファ』です。

その前に、

【下記、口語訳の聖書正典で、黄泉が出て来る箇所とその意味を見て行きましょう】

例によって、日英対訳になっております。

面倒な方は、★印だけ読んで、読み飛ばして行ってください。

マタイ11-23

ああ、カペナウムよ、おまえは天にまで上げられようとでもいうのか。『黄泉』にまで落されるであろう。おまえの中でなされた力あるわざが、もしソドムでなされたなら、その町は今日までも残っていたであろう。

And as for you, Capernaum! Did you want to lift yourself up to heaven? You will be thrown down to hell! If the miracles which were performed in you had been performed in Sodom, it would still be in existence today!

★黄泉とは、落とされる場所なのだそうです。

 

マタイ16-18

そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう。『黄泉』の力もそれに打ち勝つことはない。

And so I tell you, Peter: you are a rock, and on this rock foundation I will build my church, and not even death will ever be able to overcome it.

★そこには、何かの力があるようです。

 

ルカ10-15

ああ、カペナウムよ、おまえは天にまで上げられようとでもいうのか。『黄泉』にまで落されるであろう。

And as for you, Capernaum! Did you want to lift yourself up to heaven? You will be thrown down to hell!”

★やはり、落とされる場所の様です。

 

ルカ16-23

そして『黄泉』にいて苦しみながら、目をあげると、アブラハムとそのふところにいるラザロとが、はるかに見えた。

and in Hades, where he was in great pain, he looked up and saw Abraham, far away, with Lazarus at his side.

★そこは、苦しいのだそうです。

 

使徒2-27

あなたは、わたしの魂を『黄泉』に捨ておくことをせず、/あなたの聖者が朽ち果てるのを、お許しにならない/であろう。

because you will not abandon me in the world of the dead; /you will not allow your faithful servant to rot in the grave.

★そこは、捨てられる場所の様です。

 

使徒2-31

キリストの復活をあらかじめ知って、「彼は『黄泉』に捨ておかれることがなく、またその肉体が朽ち果てることもない」と語ったのである。

David saw what God was going to do in the future, and so he spoke about the resurrection of the Messiah when he said, /”He was not abandoned in the world of the dead; /his body did not rot in the grave.’

★やはり、捨てられる場所の様なのです。

 

黙示1-18

また、生きている者である。わたしは死んだことはあるが、見よ、世々限りなく生きている者である。そして、死と黄泉とのかぎを持っている。

am the living one! I was dead, but now I am alive forever and ever. I have authority over death and the world of the dead.

★そこには、鍵がかかっている様です。

 

黙示6-8

そこで見ていると、見よ、青白い馬が出てきた。そして、それに乗っている者の名は「死」と言い、それに『黄泉』が従っていた。彼らには、地の四分の一を支配する権威、および、つるぎと、ききんと、死と、地の獣らとによって人を殺す権威とが、与えられた。

I looked, and there was a pale-colored horse. Its rider was named Death, and Hades followed close behind. They were given authority over one fourth of the earth, to kill by means of war, famine, disease, and wild animals.

★それは、死に従う立場の様です。

 

黙示20-13

海はその中にいる死人を出し、死も『黄泉』もその中にいる死人を出し、そして、おのおのそのしわざに応じて、さばきを受けた。

Then the sea gave up its dead. Death and the world of the dead also gave up the dead they held. And all were judged according to what they had done.

★死人の場所の様です。

 

黙示20-14

それから、死も『黄泉』も火の池に投げ込まれた。この火の池が第二の死である。

Then death and the world of the dead were thrown into the lake of fire. (This lake of fire is the second death.)

★死んで黄泉におちる事を、第一の死と言います

 

【獄と言う場所もある様です】

獄(ひとや)

第一ペテロ3-19

こうして、彼は『獄』に捕われている霊どものところに下って行き、宣べ伝えることをされた。

and in his spiritual existence he went and preached to the imprisoned spirits.

黙示20-7

★牢獄の様です。

 

千年の期間が終ると、サタンはその『獄』から解放される。

After the thousand years are over, Satan will be set loose from his prison,

★やはり、そこは牢獄です。

 

陰府(よみ) ヨブ7-8~10 (口語訳)

わたしを見る者の目は、/かさねてわたしを見ることがなく、/あなたがわたしに目を向けられても、/わたしはいない。

雲が消えて、なくなるように、/『陰府』に下る者は上がって来ることがない。

彼は再びその家に帰らず、/彼の所も、もはや彼を認めない。

7-8~10

You see me now, but never again. /If you look for me, I’ll be gone.

Like a cloud that fades and is gone, /we humans die and never return; /we are forgotten by all who knew us.

 

『よみ』という処が、だいぶわかって来ました。

しかし、

【陰府(よみ)の事につきましては、旧約聖書外典のエノク書に、詳しく書かれてあります】

 

ここに取り上げておりますエノク書は、日本人の一般信者である私でも、容易に手に入れる事の出来る通称『エチオピア語エノク書』とか、『第一エノク書』と呼ばれているものであります。

これは今日、完全な写本として残っているとされているエチオピア語訳からの英訳本でありまして、使徒時代には広くキリスト教徒に読まれていた書でもあります。

但し、言語は、当然ギリシア語で、『エチオピア語エノク書』は、そこからの訳写本とされております。

しかし、実際の処、写本として見つかっている物は、死海文書の中からアラム語の写本が、一部見つかっているだけで、ギリシア語の物は見つかっておりません。

新約聖書がギリシア語で書かれていて、当時のキリスト者達の多くが、ギリシア語で聖書を読んでいた事から、そう言われているのです。

現在、

エノクの名は、聖書の旧約聖書正典に2か所、創世記4章17,18節と5章18~24節に出て来ます。

しかし、このエノクは、前者ではなく、後者の家系のアダムからセツを経て7代目の方がそうだと言われております。

そちらには、「5:24 エノクは神とともに歩み、神が彼を取られたので、いなくなった。5:24 He spent his life in fellowship with God, and then he disappeared, because God took him away.」と書かれてある方です。

これは、エノクが神の前において、義とせられた人であった事を示しており、同様の事が、新約聖書正典のへブル書11-5にも書かれてあります。

即ち、「11:5 信仰によって、エノクは死を見ないように天に移された。神がお移しになったので、彼は見えなくなった。彼が移される前に、神に喜ばれた者と、あかしされていたからである。11:5 It was faith that kept Enoch from dying. Instead, he was taken up to God, and nobody could find him, because God had taken him up. The scripture says that before Enoch was taken up, he had pleased God.」とです。

 

また、下記、新約聖書正典のユダ書(ユダの手紙)の14章から15章は、「第一エノク書」から引用されたものだと言われております。

 

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1:14 アダムから七代目にあたるエノクも彼らについて預言して言った、「見よ、主は無数の聖徒たちを率いてこられた。

1:15 それは、すべての者にさばきを行うためであり、また、不信心な者が、信仰を無視して犯したすべての不信心なしわざと、さらに、不信心な罪人が主にそむいて語ったすべての暴言とを責めるためである」。

1:14 It was Enoch, the seventh direct descendant from Adam, who long ago prophesied this about them: “The Lord will come with many thousands of his holy angels

1:15 to bring judgment on all, to condemn them all for the godless deeds they have performed and for all the terrible words that godless sinners have spoken against him!”

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と言うわけで、現在、聖書の正典から外されて、聖書外典となっている『第一エノク書』ではありますが、使徒時代には、広くキリスト者に読まれ、参考にされていた記録と言う事がわかります。

事実、今我々の聞く天使の名前の殆どが、ここから出たきたものです。

新旧聖書正典には、「ガブリエル」と「ミカエル」の2人の天使名しか出て来ません。

「ラファエル」とか「ウリエル」の天使名は、エノク書に出ている名前なのです。(他の外典トビト書等にも出て来ます)

エノクは、彼らに連れられて、天の彼方こちらを案内され、色々な事を教えて貰います。

『陰府:よみ』については、これです。

『第一エノク書』によりますと、そこは4つのHollow(ホロー:空洞)に分かれているのだそうです。

では、見て行きましょう。

 

第一エノク書」

Part5 Chapter22

  • And thence I went to another place, and he mountain [and] of hard rock.

それから私は、他の場所に行き、硬い岩山を見せて貰った。

  • And there was in it four hollow places, deep and wide and very smooth. How smooth are the hollow places and deep and dark to look at.

そこには、4つの空洞があった。それは深くて、広くて滑らかな場所だった。おお、何てこの空洞は、深くて暗い眺めなんだ!

  • Then Raphael, one of the holy angels who was with me, answered, and said unto me: ‘These hollow places have been created for this very purpose, that the spirits of the souls of the dead should 4 assemble therein, yea that all the souls of the children of men should assemble here. And these places have been made to receive them till the day of their judgement and till their appointed period [till the period appointed], till the great judgement (comes) upon them.’

そこで、私と一緒にいる聖なる天使の一人、ラファエルが言った「それらは、死んだ人の子らの霊を入れる目的の為に作られている、そう、これらは、大いなる審判が彼らに下るその日まで、彼らを留め置く為の場所なのだ」

I saw (the spirit of) a dead man making suit, 5 and his voice went forth to heaven and made suit.

 私は、訴えかける死んだ人の霊を見た。かれの声は天国に向かって訴えていた。

And I asked Raphael, the angel who was 6 with me, and I said unto him: ‘This spirit which maketh suit, whose is it, whose voice goeth forth and maketh suit to heaven?’

私は、一緒にいる天使ラファエロに尋ねた。「この天国に訴えかけている霊は、誰の霊で何を訴えているのですか?」

And he answered me saying: ‘This is the spirit which went forth from Abel, whom his brother Cain slew, and he makes his suit against him till his seed is destroyed from the face of the earth, and his seed is annihilated from amongst the seed of men.’

彼は答えた「これは、兄のカインに殺されたアベルの霊だ。彼は彼の子孫がこの地上から絶たれ滅ばされ、人の子孫の中から抹殺されるまでカインを訴えるのだ。」

8 The I asked regarding it, and regarding all the hollow places: ‘Why is one separated from the other?’ 9 And he answered me and said unto me: ‘These three have been made that the spirits of the dead might be separated.

私は、その空洞について尋ねた「何故、その一つは他の全ての空洞と分けられているのですか?」

すると、彼は私に答えてくれた「これらの3つは、死人の霊を区別する為に作られたのだ。

And such a division has been make (for) the spirits of the righteous, in which there is the bright spring of 10 water.

そう、正しい人の霊の為に作られたここには、光り輝く水の泉がある。

And such has been made for sinners when they die and are buried in the earth and judgement has not been executed on them in their 11 lifetime.

そして、こちらは、罪人の為につくられたもので、彼らは地上で埋葬されたが、生前、罰を与えられなかった。

Here their spirits shall be set apart in this great pain till the great day of judgement and punishment and torment of those who curse for ever and retribution for their spirits.

There 12 He shall bind them for ever. And such a division has been made for the spirits of those who make their suit, who make disclosures concerning their destruction, when they were slain in the days 13 of the sinners.

彼らの霊は大いなる審判の日まで、ここに分けられ苦しむ。その日は刑罰の日であり、永遠に呪う者の苦しみの日で、彼の霊が報いを受ける日なのだ。主は、ここに彼らを縛って置かれる。この区分は、また訴える者の為に作られた、彼らは、罪人が我が物顔でふるまった時代に殺されたのだが、その死の日を公にしめすものなのだ。

Such has been made for the spirits of men who were not righteous but sinners, who were complete in transgression, and of the transgressors they shall be companions: but their spirits shall not be slain in the day of judgement nor shall they be raised from thence.’

14 The I blessed the Lord of glory and said: ‘Blessed be my Lord, the Lord of righteousness, who ruleth for ever.’

この区分けは、義人ではない罪人の霊の為に置かれている。彼らは完璧に罪人であり罪人の友であり、彼らの霊は審判の日に滅ぼされる事もそこから蘇る事もない。

そこで私は祈った「我が主に祝福あれ、主の義が永遠に行われます様に」

 

という事です。

まとめますと、黄泉、陰府(よみ)は下記の4つのホローになる様です。

  • 義人の為の安らぎの空間
  • 地上で罰を免れた罪人の為の牢獄
  • 罪人に殺されて、訴え続ける霊の為の空間
  • 完璧な、極悪非道の罪人の為の牢獄

 

因みにキリスト者は、ここにはいません。死んで霊になった場合、いきなり天国に行きます。そして、生前の清算により、そこで、キリスト者としての利子が支払われる事になるのです。

以上、『第一エノク書』から、4つの黄泉の世界でした。

 

聖書正典によりますと、

人には、一度死に、死んだ後にも、もう一度裁かれる審判の時が待って居ます。

聖書正典には、それを回避する為の道が書かれております。

今、ちょうど何処の教会も集会を閉じている状態です。

この機会に、ぜひお近くの教会に行って、個別に詳しいお話を聞いて見て下さい。

美味しいお茶と、茶菓子位は、出ると思います。

己の命にかかわる問題です。

「人は、もし全世界を儲けとも、己の命を失わば何の益かあらんや」と聖書に書かれている通りなのです。

 

以上またお会いしましょう。

関連:創世記を少し1

ハレルヤ

そして、Good regards